肝機能検査で異常や障害があった時は?

肝臓の検査で見つかる!

肝機能検査の一部に異常を認めますや肝機能障害が認められますとあったら?どうすべきか!まずは自覚症状がなくてもほったらかしにしない、アルコール性肝障害は禁酒が必要、肝硬変でも正しく治療すれば長生きできます!と様々な事例があります。

自覚症状がなくてもほったらかしにしない

GOT・GPT・ALP・γ-GTP・ZTTなどの検査の一部に異常値がみられると、「肝機能検査の一部に異常を認めます」と報告されます。これらの検査が多種類にわたって異常がみられる時は、肝臓に病気がある可能性が強いので、「肝機能障害が認められます」と報告されます。
しかし、肝臓には非常に多くの種類の病気があり、これらの検査だけで、病名を決めることはできません。
さらに、これらの検査の一つ一つは、肝臓以外の病気でも異常値を示すこともありますので、もっと詳しく検査する必要があります。
肝臓は腹部の最上部にあり、重さ900~1300gもある大きな臓器です。体内の化学工場と言われ、多くの働きをしています。腸から吸収した栄養素を、からだに適したものに変え、貯蔵し、必要に応じて血液中へ送り出しています。また、胆汁を作り、消化を助けるとともに、からだの中の老廃物を腸へ排泄しています。さらに、種々の毒物の解毒作用もしています。
このような重要な働きを担っていますから、肝臓には十分の余力が用意されているのです。半面、このために少々肝臓が障害されても、症状が表に現れないのです。肝臓がときに、「沈黙の臓器」と言われる理由です。
自覚症状がなければ、誰しも病気とは感じません。せっかく健康診断で肝臓の異常を指摘されても、ついついほったらかしにしてしまう人が多いのもうなずけます。
しかし、それでは病気が悪くなるのを待っているのと同じです。ぜひ、積極的に肝臓を正常に戻すように努力しましょう。

アルコール性肝障害は「禁酒」が必要

ほとんど毎日お酒を飲んでいる人で、γ-GTP値が飛び抜けて高い値のときは、アルコール性肝障害の疑いが強いので、とにかく、まずお酒をやめましょう。たとえ最終的にアルコール性肝障害以外の病気であったとしても、禁酒することは必要です。
「一週間に二日は休肝日を作りましょう」とよく言われます。しかし、この言葉は、一般に少し誤解されて受け取られています。すでに肝臓が悪くなっている人でも、一週間に二日お酒をやめればよい、と考えている人がいますが、これは間違いです。正しい意味は、「現在はまだ肝臓の正常な人が、将来肝臓を悪くしないために、休肝日が必要です」という意味です。
健康診断で、肝機能検査に異常があると言われた人は、まず、原則として禁酒です。そして、いったん、肝臓を正常に戻してから、再び肝臓を悪くしないような、お酒の飲み方を覚えてください。
幸いなことに、肝臓は非常に回復力の強い臓器です。軽度のうちのアルコール性肝障害なら、必ず治ります。
しかし、いくら肝臓の回復力が強いと言っても、ある限度をこえると元には戻りません。手遅れにならないうちに異常を発見するのが、健康診断の目的ですから、せっかくの機会を逃しては意味がありません。

太っている人は、肝臓にも脂肪がたまっていることが多い

栄養を摂りすぎている人、アルコールを多く飲む人、糖尿病の人、副腎皮質ホルモン剤を長期間服用している人などでは、肝臓に脂肪(中性脂肪)がたまっていることが多く、肝機能検査で異常が見つかることがよくあります。これを「脂肪肝」と呼んでいます。「疲れやすい」とか「右の胸の下あたりが重苦しいことがある」といった程度の症状で、ほとんどの人は病気とは思っていないのが普通です。
「脂肪肝」だとすぐに肝臓がだめになるということはありませんが、長期間続くと、肝硬変になることもあると言われています。
「肝脂肪」のときの血液検査の結果は、ウイルス性慢性肝炎のときとよく似ています。以前はその区別が困難でしたが、最近では、腹部超音波検査などで、比較的簡単に区別がつくことが多くなりました。
「脂肪肝」は、食事制限(摂取エネルギーを減らす)と運動(脂肪をエネルギー源として消費する)とによって体重減少をはかれば、比較的簡単に正常化することができます。

以前に輸血を受けたことのある人は要注意

肝炎の多くは、ウイルスが原因で起こります。しかし、1種類のウイルスではなく、いくつかの種類があります。日本では、A型、B型、C型の3種が大部分です。
A型は、食べ物や飲み物を通じて経口的に感染します。ときには地域的に流行することがあり、流行性肝炎と言われることもあります。たいていは、発病しても急性肝炎で、一時は強い症状が出て入院、安静が必要ですが、慢性化せずに治ります。
B型とC型は、主に血液を通じて感染します。まったく自覚症状のないままで終わることもありますが、急性肝炎や劇症肝炎を起こしたり、慢性肝炎になったりすることもあります。普通、一般の人が他人の血液に触れることは少ないので、めったに感染することはありませんが、まだこのようなウイルスについて知られていなかった頃に、輸血を受けた人や、母親がこのウイルスを持っていて出産したときの子供などでは、感染している可能性があります。
現在まだ感染力のある状態で、肝炎ウイルスを持っている人を「キャリア(運ぶ人という意味)」と言います。「キャリア」はまったく症状がなく、普通の肝機能検査では正常か、ごく軽度の異常しか見られないことが多いのですが、健康診断がきっかけで発見されることもよくあります。
「キャリア」は現在症状がなくても、将来、肝炎を起こす可能性がありますので、定期的に検査が必要です。女性の場合は、出産時に子供に感染させる可能性がありますので、妊娠中から産科医と相談してください。子供が発病しないように治療する方法がありますから、結婚や妊娠は差し支えありません。
「キャリア」の血液には感染力がありますので、注意が必要です。病院関係者は、常に血液の取り扱いに細心の注意を払っています。
しかし、単に家族として同居しているとか、職場が同じというだけでは、感染することはめったにありません。(性行為で感染することはあると言われています。しかし夫婦間ではすでに長い歴史がありますから、生活を変える必要はありません。)
必要以上に恐れることはありませんが、「キャリア」本人には、ケガなどで出血したときに他人に迷惑をかけないためにも、「キャリア」であることを知らせています。家族にも知らせておくことが必要です。歯ブラシやひげそりなどは専用にしなければなりませんが、血液の付着したもの以外は、食器・洗濯・入浴などを分ける必要はありません。

肝硬変でも正しく治療すれば長生きできる

肝臓は大変大きな臓器で、余力が十分あり、回復力も非常に強く、少しぐらい肝機能検査が悪くても、自覚症状はあまりありません。しかし、アルコール性肝障害やウイルス性肝炎が長く続くと、肝臓の細胞が壊れて、その跡に繊維が多くなり、肝臓が硬くなって肝硬変と言われる状態になることがあります。肝硬変と診断されても、それほど悲観することはありません。昔は検査方法も少なく、急性肝炎など、自覚症状のはっきりでる病気以外は、早期に肝臓の病気を発見することができなかったために、肝硬変の末期(肝不全の状態)になって、初めて肝臓が悪いことを診断されることが多かったのです。
そのため肝硬変と診断されれば、もう末期だと今でも考えている人がいますが、そんなことはありません。
現在では、肝硬変になってから10年、20年と元気にしている人が大勢おられます。それは早期に発見され、その後の生活の仕方や治療がよいためです。
肝機能が悪いと言われたら、まず、肝硬変にならないように、治療することが大切ですが、すでに肝硬変になっていても、生活を改善したり、治療を正しく行えば、十分長生きすることができます。そのためには、自覚症状の有無にかかわらず、継続的に医師にかかり、定期的に検査を受けることが必要です。


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