早期発見で乳がんを治そう!
乳ガンの検診で早期発見と乳ガンのできやすい部位について解説しています。日本人女性では、乳ガンの死亡率は比較的少なかったのですが、近年徐々に増加しつつあります。10年後には日本人女性のガン死亡率のトップになるかも知れないと言われています。
<乳ガンのできやすい部位>
欧米の女性では、すでにもっとも深刻なガンになっています。これには女性のライフスタイルに関係があると考えられています。
独身の人、結婚しても子供がいないか少ない人、高齢初産の人などに乳ガンが多いと言われています。国別にみると、乳脂肪の摂取量が多い国では、乳ガンも多いという統計がみられます。
乳ガンは比較的転移しやすいガンですから、早期発見が特に重要です。しかし、幸いなことに乳房はからだの表面にあり、乳房の異常は、比較的簡単に自分で発見することができますし、検診でも発見が容易です。
<乳ガン検診で行われる検査>
☆専門医による診察
視診:乳房の形の変化などを診ます。
触診:乳房に触れて「しこり」がないかを調べます。専門医は「しこり」の大きさ、形、硬さ、動きやすさ、圧痛などから、ガンの疑いがあるかどうかを判断します。「しこり」があってもガンとは限りません。乳腺炎、乳腺症、乳腺繊維症などの良性の病気の場合も多いのです。
<精密検査で行われる検査>
☆乳房超音波(エコー)検査
超音波を乳房の皮膚の上から当てて、反射波(エコー)をとらえて画像にして乳房内部の観察をします。からだへの影響や苦痛はありません。
☆X線検査(マンモグラフィー)
乳房専門のX線検査です。「しこり」の形や周囲への拡がりを調べます。
☆生検(せいけん)
以上のような検査で乳ガンの疑いが強かったり、どちらとも診断できないときには、診断を確定するために、「しこり」の部分から組織の一部を取って、顕微鏡で調べます。「しこり」が非常に小さい場合は診断だけでなく、治療もかねて、「しこり」全体を取ることもあります。
乳ガンの自己検診
乳房はからだの表面の見やすい部位にありますから、乳房の異常は自分で発見できます。特に、乳ガンの発見の最初のきっかけは、自分で異常をみつける場合が多いのです。
月に1度は自己検診を!
1ヶ月に1回、生理が終わって2~3日目に定期的に行いましょう。閉経後の人は、毎月日を決めて調べましょう。
自己検診の方法
☆鏡の前に立って
①左右の乳房の形が同じか?
②両手を上げ下げして、不自然な凹みや飛び出し、こじわなどがないか?
③乳首に湿疹やただれがないか?
④乳首をつまんで、血のような分泌物がないか?
などを調べます。
☆上向きに寝て
①腕を下げた状態で、反対側の手の指のハラで、ゆっくりと渦巻きを描くように、乳首から外側へまんべんなく触れます。いろいろの強さで触れて見ましょう。しかし、あまり強く触れると、かえってわかりにくくなります。
②腕を頭の下に置いた状態で、同じように調べます。
③最後はわきの下を、指のハラを胸にそってゆっくりすべらすように触れて、リンパ節が腫れていないか調べます。