白血球が少なくなる原因は?
白血球は、好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球の5種類に分類され、「血液像」と呼ばれる検査でこの白血球の種類を分類することができます。。このうち、好中球とリンパ球とで全体の90%程度を占めています。したがって、白血球数が減少している場合、問題になるのは好中球かリンパ球の減少です。
白血球数が減ると感染症を起こしやすくなる
白血球は、からだの防御反応に関係しており、白血球数か、極端に減少すると、細菌などの感染症を起こしやすくなります。
好中球が減少するのは、1つは、骨髄で好中球が作られるのが減少する場合で、再生不良性貧血や骨髄繊維症などの骨髄疾患の場合や薬剤による骨髄機能の抑制などによる場合などがあります。
もう1つはまれですが、好中球の破壊が亢進するという病気もあります。
リンパ球は、からだの免疫能に関係している白血球で、膠原病、ウイルス感染症などで減少します。有名な「エイズ」は、日本語の正式名を「後天性免疫不全症候群」と言い、リンパ球の減少が見られます。悪性リンパ腫やガンなどでもリンパ球が減少することがあります。
個人差による心配のない場合も多い
白血球数は、比較的個人差が大きく、基準値から外れた結果が出ることがよくあります。しかも、自覚症状がなく、とくに病気になりやすいということもない場合がよくあります。健康診断で見つかる白血球数減少は、たいていは個人差の範囲内の軽度のもので、心配のない場合が多いのです。もし、以前の何回かの健康診の結果通知表を保存していたら、比べて見てください。何年にもわたっていつも白血球数が軽度に少なめで、しかも、その間に特に病気をしていなければ、多分、心配する必要のないものだと思われます。しかし、念のために病院か、診療所を受診して、「血液像」を検査してもらってください。場合によっては、骨髄検査などの精密検査が必要な場合もあります。また、今後の経過観察も必要です。
もし、薬剤による白血球数の減少であれば、原則として、原因となっている薬剤の服用中止が必要です。しかし、薬は必要があって不全しているのですから、薬をもらった医師に相談して、その指示に従ってください。