総コレステロール・HDL-コレステロール・中性脂肪に関して
総コレステロール.HDL-コレステロール.中性脂肪の血中脂質検査の開設や意味について紹介しています。。総コレステロールは細胞膜やホルモンを作る大切なもの、HDL-コレステロールの善玉と悪玉は比重の違い、中性脂肪はエネルギーの運搬や貯蔵などに必要など。
「総コレステロール」☆基準値:130~219 mg/dl(220mg/dl以下が望ましい)
コレステロールは脂肪の一種です。HDL-コレステロールや中性脂肪とともに、高脂血症の診断のために必要な検査です。
細胞膜やホルモンを作る大切なもの
コレステロールは、からだの細胞の膜の成分として重要なものです。さらに、副腎皮質ホルモンうあ性ホルモンなどのステロイドホルモン、消化に役立つ胆汁酸などを作る原料にもなります。したがってコレステロールの多くは体内(肝臓・小腸・卵巣・睾丸など)で1日1.5~2g合成されます。一部は食事に含まれるコレステロールが吸収されたものですが、1日0.3g程度で体内で合成されるコレステロール量に比べて少量です。
年齢や性別でピーク量は違う
コレステロールには、脂肪酸と結合した「エステル型」と、別々に離れた「遊離型」とがありますが、両者を合わせて「総コレステロール」と言います。エステル型は貯蔵や運搬に適しており、遊離型はホルモンなどの原料になります。
総コレステロール値は、年齢や性別によって、平均値に違いがあり、男性では40歳代がピークで、女性では閉経後に上昇し60歳代にピークとなります。
~「コレステロールが多い」「中性脂肪が多い」「HDL-コレステロールが少ない」とあったら?のページを参照~
「HDL-コレステロール」基準値:男性、40mg/dl以上 女性、45mg/dl以上
HDL-コレステロール検査は、総コレステロールや中性脂肪とともに、高脂血症の診断のために必要な検査です。
善玉と悪玉は比重の違い
コレステロールや中性脂肪は脂肪ですから、そのままでは水に溶けにくく、血液中では蛋白と結合して、リポ蛋白と言われる形で存在しています。
リポ蛋白は、その比重によって数種類に分けられます。その各々にコレステロールが含まれています。このうち、低比重のリポ蛋白(low density lipoprotein)に含まれるコレステロールをLDL-コレステロールと言い、これが動脈壁に沈着して動脈硬化を起こします。そのため「悪玉コレステロール」と呼ばれることがあります。
これに対して、高比重のリポ蛋白(high density lipoprotein)に含まれるコレステロールをHDL-コレステロールと言い、これは血管壁に沈着したコレステロールを運び出し、動脈硬化を防止する働きがあるので、「善玉コレステロール」と呼ばれます。
~「コレステロールが多い」「中性脂肪が多い」「HDL-コレステロールが少ない」とあったら?のページを参照~
「中性脂肪(トリグリセライド)」 基準値:35~150mg/dl
中性脂肪(トリグリセライド)は脂肪の一種で、グリセリンに3分子の脂肪酸が結合したものです。中性脂肪検査は、コレステロールなどとともに、高脂血症の診断に必要な検査です。
エネルギーの運搬や貯蔵などに必要だが
中性脂肪はエネルギーの運搬や貯蔵、組織の維持などに必要なもので、皮下脂肪の大部分は中性脂肪です。
食事の内容が、脂肪が多いときはもちろん、糖質などでカロリーの高い場合にも中性脂肪が増えます。
食後や飲酒後には、中性脂肪値が一時的に非常に高値になりますので、中性脂肪の検査は、前日の夕食後、12時間以上空腹にした朝に、採血して行うにが普通です。
夕食を早くすませても、夜遅くまでアルコールを飲むと影響が出ます。
~「コレステロールが多い」「中性脂肪が多い」「HDL-コレステロールが少ない」とあったら?のページを参照~