尿素窒素とクレアチニンが腎機能とどう関係するのか?
腎機能検査の尿素窒素やクレアチニンの見方について紹介しています。尿素窒素検査は主として、腎臓の働きを知る目的で検査し、クレアチニン検査は腎機能の低下がないかどうかを調べます。
「尿素窒素」の腎機能検査について☆基準値:22mg/dl以下
主として、腎臓の働きを知る目的で検査します
尿素は主としてたんぱく質などの窒素を含む物質の分解の結果生じます。
そして大部分は腎臓から排泄され、血液中には比較的少量しか含まれません。
尿素窒素の値が高くなる原因は大きく分けて2つあります。
第1に腎臓の働きが低下して尿素が十分に排泄出来なくなった時です。
この時にはクレアチニン値(クレアチニンの項・下記を参照)も同時に高くなります。
第2には、たんぱく質を過剰に摂取したときや感染症・出血などで身体のたんぱく質が大量に分解されたときなどにも増加します。
また、脱水などで血液が非常に濃縮されたときにも一時的に高くなります。
尿素窒素値が高い時は、さらに詳しい検査を受ける必要があります。
~「尿蛋白がでています」「尿潜血反応を認めます」「腎機能検査の一部に異常を認めます」とあったら?のページを参照~
「クレアチニン」の腎機能検査について 基準値:1.2mg/dl以下
筋肉の多い男性は女性より値が高い
主として、腎機能の低下がないかどうかを調べる目的で検査します。
クレアチニンは蛋白質の分解によってできる、老廃物の一種です。
主に筋肉の活動の結果生じます。
筋肉量の多い男性は、女性に比べやや高い値となります。
クレアチニンは腎臓の糸球体(尿蛋白のページを参照)で濾過され、ほとんど再吸収されずに、尿とともに排泄されます。
腎機能が正常であれば、血液中のクレアチニン値はほぼ一定に保たれます。
腎臓への血液量が少なくなった場合も高くなる
腎機能が低下するとクレアチニン値が高くなりますが、そのほかにも、脱水、心不全、ショックなどによって、腎臓への血液流量が低下した場合や、前立腺肥大などで尿の排泄が悪くなった場合などでも高くなります。
~「尿蛋白がでています」「尿潜血反応を認めます」「腎機能検査の一部に異常を認めます」とあったら?のページを参照~