白血球数.赤血球.ヘマトクリット値.ヘモグロビン量.MCV.MCH.MCHCとは
白血球数、赤血球、ヘマトクリット値、ヘモグロビン量、MCV、MCH、MCHCの意味や血液検査の解説を紹介しています。白血球は炎症が起きたり、細菌などが入ってくると大活躍、血の色はヘモグロビンの色、赤血球が多すぎるのも問題と様々な役割があります。
「白血球数」☆基準値:40~90×100個/mm3
白血球は、血液中の細胞成分の一種です。白血球は骨髄で作られ、血液中に出てきます。いろいろな病気のときに白血球数は増減しますので、病気の発見の手がかりになります。
炎症が起きたり、細菌などが入ってくると大活躍
白血球には、顆粒球、単球、リンパ球があり、顆粒球はさらに好中球、好酸球、好塩基球に分けられます。これらの白血球の種類がどのような比率で見られるかを調べたものを「血液像」と言います。
体内で炎症が起きると、白血球がその部位に集まってきます。細菌や異物が入って炎症が起きている場合は、その細菌や異物を白血球内に取り込みます。このようにして白血球は炎症が起きた場所の掃除をします。この働きを白血球の食作用と言います。食作用をした白血球は死んでしまいます。「膿(うみ)」には、この白血球の死骸が入っています。
~「白血球数が多い」~~「白血球数が少ない」とあったら?のページを参照~
「赤血球」☆基準値:男性410~550万個/mm3 女性380~500万個/mm3
「ヘマトクリット(Ht)値」☆基準値:男性39~52% 女性35~48%
「ヘモグロビン(Hb)量」☆基準値:男性13.0~18.0g/dl 女性12.0~16.0g/dl
「MCV」☆基準値:89~99fl
「MCH」☆基準値:28~35pg
「MCHC」☆基準値:31~36%
これらの検査の主たる目的は、貧血の有無と貧血の種類を調べることです。
血の色はヘモグロビンの色
血液に含まれる血球(細胞成分)の大部分を占めるのが赤血球です。赤血球数は、血液1mm3に含まれる赤血球の数で表されます。
血液の中に占める血球(大部分は赤血球)の割合を表したのがヘマトクリット値です。
赤血球はうすいピンク色ですが、血液中には多数の赤血球が含まれているので、血液は赤く見えるのです。この赤色の正体は、赤血球の中に含まれるヘモグロビンという鉄を含んだ蛋白質です。血液が全身に酸素を運ぶのは、このヘモグロビンに酸素が結合したり、離れたりする作用によっています。したがってヘモグロビン量を測定することによって、血液が酸素を運ぶ能力を推測することができます。
MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)の3つを赤血球指数(恒数)と言い、赤血球数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン量から、次の表の計算式で計算されます。これらは、貧血の種類を分類するのに役立ちます。
赤血球が多すぎるのも問題
赤血球数が多すぎる病気もあり、「赤血球増加症」と呼ばれます。このうち、「真性多血症」というのは赤血球だけでなく白血球や血小板も、からだが必要としている以上に骨髄でどんどん作られる病気で、いろいろの合併症を起こしますが、非常にまれな病気です。
普通、よく見られる赤血球増加症としては、次のような場合があります。
高地では空気中の酸素濃度が低く、これに適応するために、赤血球増加症が起こるのはよく知られています。
慢性の呼吸器疾患、先天性心疾患、ヘビースモーカーなどでも、赤血球増加症が見られることがあります。
血液の成分と働き
【血清・けっせい(血漿・けっしょう)】
血液量を一定に保ち、栄養を運んだり、血液を固めたりする。
【血球・けっきゅう】
赤血球、白血球、血小板(けっしょうばん)が含まれる。
【赤血球】からだじゅうに酸素を運びこみ、二酸化炭素を運び去る。約8ミクロン。
【白血球】体内に侵入した細菌などに抵抗し、病気を防ぐ。約6~16ミクロン。
【血小板・けっしょうばん】出血を止める働きをする。約3ミクロン。
最近は、ストレスによっても赤血球増加症が起こると考えられています。
からだの中の水分が減少(脱水)しても、見かけ上の赤血球増加症が起こります。
赤血球増加症では、血管が障害されたり、血管内で血液が固まりやすく、血栓症を起こしやすくなります。
~「貧血を認めます」とあったら?のページを参照~